はじめに……
僕らmapとは、レーベルでもイベント・オーガナイザーでもなく、音楽雑誌を作ろうということで、編集者/ライターである福田教雄と小田晶房の2人が集まってできたものです。しかし、こうしてmapとして動き始めて早7年(ホント早いなぁ)、気付くと雑誌はなかなか作ることができないものの、海外からいろんなアーティストを呼んでみたり、いろんなCDを作ったり、書籍や画集を作ってみたりと、なんだかいろんなことをするようになってしまいました。で、思うんですよ、「何でこんなことになったんだろうなぁ」と。で、それは、たぶん、いろんな必然や偶然や、いろんな人と知り合ったり、別れたりして、そして、今、こうしてこんなことをしているということなのだろうな、と思ったりしています。曖昧に誤魔化しておりますが、ま、そんなものだ。うん。
ただ、そんないろんなこと、特にこの数年間最も大きな割合を占めることになったイベントをスタートさせることになったきっかけ、というのがあるわけです。そう、物事には大抵理由が存在するものなんだ。で、それは、きっと初めてmapとして行なったイベントがあまりに愉しかったから、ということに尽きると思っているんです。
それは今から6年近く前。2001年の12月14日のこと。今や東京アンダーグラウンドの聖地として知られる渋谷o-nest、いや当時はただのnestって名前だったけれど、あのころはまだメジャー・デビュー前のポップス・バンドがお試しで出演したり、クラブ慣れしていない人たちがお遊びでオールナイト・イベントをやる、そんな感じだったのを覚えてる人はどれくらいいるのか。ただ、あの2フロアが使えるのに何か可能性を感じて、オールナイトでやったこのイベントは、僕らのシリーズ・イベントChannelの第1回、オルタナ姫デイム・ダーシーが登場する祭りだった。
ただ、今だから言いますと……ダーシーなんて誰も(俺たちですら)よく知らなかったんだよ(笑)! でも、彼女を呼ぶことは決まっていてイベントをやらねばならぬ。そんなとき、ふと、「自分たちが今一番好きなアーティストを集めてみよう!」と思ったのが、最初のこのChannelだったんです。ちなみに、Channelとは、テレビのチャンネルではなくて、「水脈」「河川」という意味のチャンネル、だったんですが……。
そうして集まったミュージシャンたち……Tucker、lakeside(ヴォーカルに二階堂和美!)、mama! milk、ノアルイズ・マーロン・タイツ(ドラムに鈴木惣一朗)、Place Called Space、ジョン(犬)、村上ゴンゾ(ラブクライ)、strobo core(toddle,swarms armのアイちゃんのキャンディ・ポップ・デュオ)、安田謙一とキングジョーがバカ映像を延々と映し出すT.A.L.T.、DJには、梶本聡/キングジョー/フミヤマウチ/松永良平、物販は円盤を始める前の田口史人の「玄関先」……と、見事に音楽性もジャンルもバラバラ(笑)。だけどこんな強者どもが一堂に会して暴れまくっていたにもかかわらず、お客様と言えば100人ちょっと。まぁ、今でこそみんな知られているけれど、当時は人気なかったんだっけ、どうだっけ? でも、俺はなんか酔っぱらいまくって無茶苦茶愉しくて、最後の最後、ゴンゾ君が奏でた摩訶不思議な電子音を呆けた頭で聴きながら、円盤・田口君から「面白かった! こんなイベントを毎月、いや少なくても年に2回くらいやろう!」と言われたことだけははっきり覚えている。
それから早6年、Channelだけでも22回、円盤でのTalent Showも20数回……通しでイベント数を数えれば80本以上日本中で打ってきたにもかかわらず、未だにイベント慣れしません(笑)。自慢じゃないけれど段取り悪し! ただ、その間、いろんなミュージシャンたちと知り合って、遊んだり一緒にレコード作ったりしてきたわけです。でもって、そんなミュージシャンたちや、これから一緒にレコードを作ろうと思っている方、いろいろお世話になった方に再びご出演をお願いしたのが、今回のお寺でのライヴ、というわけ、ふう、長かった!
これまで知り合ったミュージシャンだって? じゃぁ、なんでニカさんは出ないのか? サケロックは? teasiはどうした? トクマルは(ゲラーズで出るけれど)? とおっしゃられる方もいるかもしれません。もちろん、みんな本当に大好きだし、現在の日本の音楽の中でも、いや世界レベルでも群を抜いて素晴らしいアーティストたちだと胸を張って自慢できます。しかし、そんな彼ら彼女たちと比べても、多くの人々に知られてはいないけれど、まったく遜色のないアーティストたちがまだまだいる、という事実をぜひ知っていただきたいと思っています。「テニスコーツや54-71は知ってるけれど……」というアナタ、「タイムテーブル見て、好きなヤツだけ見に行こう」と思っているアナタにこそ、これらのミュージシャンのとんでもない音にお口あんぐりと驚いてほしいと思っています。もちろん、好き嫌いはあるだろうけれど、間違いなく、彼らの音楽は、特別です。他の何モノとも別のモノです。なによりも、それだけは分かっていただきたいと思っております。そして、そんな驚きが最も愉しいことだと信じてます。
また、物販やフード関係にも、7年前のライヴでも少し手伝ってくれた(あのころは大学生だったか?)ontonsonミカ嬢や、なぜか長い付き合いとなってるTOAD RECORD歯抜けナイスガイ、ハマちょうはもちろん、とある書籍を一緒に作ったLilmagの野中モモ嬢や極旨と大評判のパンを売るpetit a petitさん、偶然知り合った料理&喋り上手クロさん率いるフード部隊、いろんなレーベルのいろんな方々、最近(こちらから強引に)知り合いになった若手精鋭部隊(ごみんね、ひとまとめにして。いろいろとお世話になります!)、サムアス・ヒデキ小林、円盤たぐち、Chance Audio Lab宋くん、GOK近藤さん……そして正満寺のサイケ住職(パンク住職から変更)ヒロスケ氏、みなみなさまのご協力で今回のイベントと相成りました。ああ、ひとりじゃないって素敵なことね。
梅雨だけに鬱陶しい雨が降るかもしれないけれど、きっと、想像を大きく超える大きな大きな音楽を聴いていただけると思います……ま、ダメだったら許せ(笑)。
それでは! 本堂でお待ちしております! ナム〜!